愛しのニシキテグリニシキテグリ美しい魚は数々いるけれど、今、私が心底惚れているのは このニシキテグリです。 図鑑でしか見たことがなかったこの魚をはじめて肉眼で見たときは 感動のあまり、しばらく呼吸を忘れていたぐらいです。 大きさは7センチぐらいでしょうか。珊瑚の中に住んでいて、 ちょこちょこと動き回っています。 しかし実に派手な外見です。 こんなに目立つ体だと、すぐに発見されて外敵に襲われないのだろうかと心配になってしまいます。 鳥でもジャングルの中に住む鳥のほうが、派手な色彩のものが多いといいます。 うっそうと茂って光があまりあたらないところにすむので、お互いを識別するために派手になっていったという説があるのですが、このニシキテグリも、サンゴのジャングルのようなところに住んでいるのでそうなったのかもしれないですね。 もしくは毒々しい色で、毒があるように思わせているのか?真相はよくわかりません。 タイやインドネシアの民芸品にありそうな色彩。顔立ちも京劇とかに出てきそうな メイク(?)をしていおり、やっぱりオリエンタルな雰囲気が漂っているせいか、英名はマンダリンといいます。 動くスピード自体は、そんなに早くはないのですが、結構落ち着きがなく2,3センチ進んでは立ち止まり、すぐまた2,3センチ進むという動きを繰り返します。 チョコマカ動き回って、なかなかフォーカスを合わせにくいタイプの魚です。 しかも、珊瑚の林の中に住んでいるので撮影は結構運次第。 珊瑚の上から目を凝らして探し回り、シャッターチャンスを伺うのですが、なかなか撮れず、イライラさせられます。 水深5,6メートルの浅場にいるので、長時間狙えるのですが、不自然な体勢で45分も粘ると、翌日は必ず腰痛に悩まされます。 それで、まったく撮れないならあきらめもつくのですが、結構姿だけはちらちら現してくれるので、つい、つい夢中になってしまうタイプの思わせぶりな魚です。 最近はダイビングの度に、毎回写真を撮りにに行きますがまるで、一回り以上年下のキャピキャピの飲み屋のねーちゃんに夢中になって、毎晩通いつめている、中間管理職のおっさんサラリーマンになった気分がします。 一緒に潜った仲間たちに、私がカメラを構えて、ニシキテグリを追っかけているところだけ、温度が回りの海水と違って暖かくなっていたと、冗談を言われるぐらいだから、その執着ぶりは、ハンパじゃないものだったと思います。 でもなんと言われてもいいのです。 今、確かに私はこの魚の美しさに魅了され、恋をしているのですから・・・。 |